ゆうさく

断崖のゆうさくのレビュー・感想・評価

断崖(1941年製作の映画)
-
面白い
ヒロインの曇らせっぷりが凄い
可哀想系ヒロインの系譜…

作り物過ぎる展開と画面がめっちゃ怖い。
中盤?くらいに出てくるシーンに、ヒロインと夫が並んで室内を歩いて、やがて階段を登りそのままフェードアウトするまでをワンショットに収めているものが出てくるがこれが凄い。このショット内でこれといった劇的な何かは起こらない。だが、あまりにもスムーズで実際どう撮っているのか全くわからない超絶技巧ショットの、その技術的わからなさがそのまま不穏さに繋がっているようだ。ふとしたところに、つまりさほど力を入れなくても良いようなところにこれだけ力を入れた不可解なショットを入れ込むことで緊張感を切らせない。

あと、ヒロインを室内でポツンと捉える引きのショットも凄い。その切り替わりのタイミング含め完璧。
ゆうさく

ゆうさく