イチロヲ

不良番長 猪の鹿お蝶のイチロヲのレビュー・感想・評価

不良番長 猪の鹿お蝶(1969年製作の映画)
3.5
義理と人情に厚いチンピラ(梅宮辰夫)が、一匹狼の女賭博(宮園純子)に支援されながら、関東を牛耳る巨大組織と対立する。梅宮辰夫が主演を務めている、不良番長シリーズの第2作目。凡天太郎の劇画とコラボしており、池玲子版よりも先行している。

「不良番長シリーズ」の枠組みのため、梅宮辰夫が実質的な主人公。千葉真一、谷隼人、菅原文太、左とん平など、後の大物となる顔ぶれが脇を固めており、ギャングの抗争に付随する、悲痛な人間模様がシリアス路線で展開される。

女博徒「猪の鹿お蝶(いのしかおちょう)」の役柄で宮園純子が登場するのだが、殺陣シーンがほとんどないため、消化不良の感がある。ストーリーラインにおいても、タイトルに冠が付いている割にはあまりにも影が薄く、ほんのゲスト出演にしか見えない。

とはいえ、少人数のグループが巨大組織に立ち向かうという構図は、いやが上にもエキサイトすることができる。演者たちのエネルギー量を受け止めながら、「なんじゃこりゃ」の連続を堪能すべし。
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