レオン

しあわせの隠れ場所のレオンのレビュー・感想・評価

しあわせの隠れ場所(2009年製作の映画)
4.2
見逃し高評価作 アカデミー主演女優受賞作 (★平均4.1 ネトフリ・UNEXT 見放題) 評価通りの感動作♪ 主演2mの巨漢クィントン・アーロンにシンパシーを感じずにはいられない・・。 (原題「The Blind Side」はアメフトでクォーターバックの死角を表す。ちなみに作品賞にもノミネート)

ソンドラ・ブロックが2010年のアカデミー主演女優を獲得した作品だが、私はビッグ・マイクと呼ばれる、いつも寂しい顔をした巨漢青年にずっと心を持って行かれた。 

経済的に不遇な生活で、ほとんどが白人の大学では浮いている存在。 バスケの試合後、拾っているのは食べ残されたポップコーン・・。 もうこの時点で心の針が大きく振れ出してしまう・・。

そして夜間の寒い時間帯に半袖で歩いている彼を見つける所からブロック夫妻との出会いが・・。
昨今、疑問や不安や嫌悪感を煽るような作品が多いが、普通、人は期待した "いい事が起こる" 方が嬉しく感じる。 残念だがこの "嬉しく感じる作品" が最近少ない・・。 

不遇な環境下で腕力がある者は、悪い方向を向いてしまうのが定石だが、彼はその巨体に似合わず、小声で言葉少なく、物静かで繊細な気遣いも出来、良心を維持している。

泊めてくれた家の物を盗むどころか、まるで日本人の様に寝具を綺麗に畳んで去る描写に、彼への感情移入が深まり、脚本の巧さにも感心する。

そして家族にも大学にも慣れ笑顔も出、スポーツ選手として才能が開花していく様をユーモア交えどんどん進める。 好転シーンの連続に見てる方も嬉しくなる♪

が、ブロックが親を訪ねる辺りから、愛情面でも彼は不遇だった事が徐々に分かり、より感情移入・・。
でもすぐに新しい家族との絆が深まる出来事に、裕福な家族が貧困青年を救っているのではなく、率直な彼に愛情を注いでいるブロック家族の方が、幸せを感じている事が分かり、見ている視聴者も同じ感情を抱く。
(原題は "いつもは見えてない側" をも表すかと・・)

アメフトゲームの展開や他の細かい出来事も見入るシーンが多く、再び脚本の巧さに感心するが、待てよ・・コレって実話?と途中で考えてしまう。

終盤で本人や家族映像が映りやはり実話と分かる♪
最近の感動作のほとんどが実話に基づいている作品が多く、創作でいい物語が書けないのか・・・と嘆くことに♪

ブロックも気の強い婦人を、随所で状況に合った好演で示しているが、この巨漢黒人役にドンズバのクィントン・アーロンの存在がなければ、これほど好印象を与える作品になってないと思う。
ブロックは「消えない罪」の方が、圧倒的な存在感ある演技をしていて、恐らく彼女のベストアクト。

その後の進展は是非、ご覧を。
万人にオススメ出来る作品です♪

PS
私は初見でしたが、制作費の10倍の興行収益を稼いだ大ヒット作だったようです♪
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