cookie

恐怖の逢びきのcookieのネタバレレビュー・内容・結末

恐怖の逢びき(1955年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

恐ろしいイメージの邦題、観て大丈夫か気ががりだったけれど、心配は無用だった😌

冒頭の、交通事故と分かる描き方が特徴的🚲💥🚗
血生臭さは全くなく、ドライな感じのまま物語は続く。

本当に知っているのか、何を知っているのか、どこまで知っているのか...わからないままの緊張感。
フラメンコ💃と激しいギターの音🎶で囁く声がかき消されるシーンは、想像を掻き立てて見応えがある。

新聞記事を見つけた途端、自分に向けられる眼差しにまで恐怖を覚えるシーンに、切迫した精神状態かよく表れている。

新たな人生のスタートを切る決断をした表情は、心に一点の曇りもなく晴れやかな気持ちで一杯のように見える✨
後に世間にどんな目で見られるかなど、何とも思っていないかのよう。
心の移ろう様子も描かれてはいたけれど、なぜそこまで彼の気持ちが動いたのかは理解しきれなかった(なのでスコア低め)。私が腹黒いからかも?💦

結婚を戦争のせいにして不倫関係を続け、今の幸せも逃したくないマリア。
普通に考えても同乗者より運転者の方が心理的重圧は大きいはずなのに、保身しか考えていないように見えたが、教会に現れたことで良心の呵責に苛まれていたことがわかる🕍

貧富の差が激しい戦後の時代、登場人物の殆どは富裕層の中で生きているけれど、本当に安泰なのは一握りに見え、あとはコネで何とかなっている。
ピアノを弾くあの男も、ああいう手段でしかあそこでは生きられない🎹

2度とも事故現場の被害者男性を映さず生々しさを感じさせない分、ラストのマリアはもの凄い形相😱
あんなに美しい彼女の、人としての醜さを見せつけているようだった。
ルチア・ボゼーは新型コロナウイルスが原因で亡くなったのですね...

🏆1955年カンヌ国際映画祭 国際映画批評家連盟賞 受賞作品

《上映前の解説メモ》
●タイトル
スペイン:あるサイクリストの死🇪🇸
イタリア:エゴイストたち🇮🇹
●時代背景
貧困と裕福さが折り合い地点を見つけられないでいる。社会的混乱の時代にあるスペインを批判的に描いている。
●フアン・アントニオ・バルデム監督
芸能一家に生まれる(調べると、女優の母が本作にも出演。被害者の隣人役)。共産党員。俳優ハビエル・バルデムは甥。
cookie

cookie