戦争映画界の古典的な名作。軍事考証については時代を考慮してもおかしいと言いたくなるような所が多いが、それを差し引いても「パンツァー・リート」を兵士たちが合唱するシーンや、そこと対照をなしている、クライマックスでヘスラー大佐が戦死するシーンなど、見所が非常に多い。また、ロバート・ショウなどの演じている俳優たちにも格があり、古き良き映画を恋しがる人々にもうってつけだ。何より、邦画がいつの間にか身につけてしまった「戦争とそれに関わる事物一切合切の無条件の否定」という要素が全く存在しない。この1点だけでも星3つ分ぐらいには相当する。
欲を言えばドイツ軍側の人間にはドイツ語で会話して貰いたかったが、流石に欲張りだろうか？結論としては、真冬の森が舞台だったはずなのにいきなり砂漠が舞台に切り替わるレベルの雑な考証を差し引いても星4を付けたい。国産の、排泄物を煮詰めてカップに入れてコーヒーと名乗るがごとき戦争映画にうんざりした良心的な映画ファンは是非一度観ていただきたい。
