Nao

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男のNaoのレビュー・感想・評価

4.2
仕事や元妻との関係等、何事もうまくいかない平凡なセールスマンのサムは精神的に追い込まれていく。
苦悩する日々にサムはウォーターゲート事件で国民を裏切ったリチャード・ニクソン大統領暗殺を考えるようになる。

1974年に起きた実話に基づく話。
完全に負け犬の遠吠えのサム。
どん底から這い上がろうとあの手この手を試みるが、世の中は冷たい。
もうどうにでもなってしまえと感情を爆発させての行動。
サムの行動に共感してはいけないが、どん底からいかに這い上がる方法を見つけられるか、本当に国のトップがいけないのか?というのを考えた。
答えは難しい。
生きてて良いことばかりではないから、誰かのせいにして逃げたくなることは誰でも1度はあるはず。
何かが駄目でも片方が上手くいっていれば犯行に至らなかった可能性だってあるのにな。
全て駄目だともう犯行や死の道しかないのはあまりも不条理だ。
「タクシードライバー」のような感じはある。
これが実話に基づいているのであれば、サミュエル・ビック(本名)という1人の人間が存在したことを何らかの形で訴えたいと残したのが本作なのかと思う。
Nao

Nao