リーアム兄さん

ワン・デイ 23年のラブストーリーのリーアム兄さんのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

【好きなセリフ】
エマ「明日より今日があればね。」

1988年7月15日「聖スウィジンの日」、エマ(アン・ハサウェイ)とデクスター(ジム・スタージェス)は大学の卒業式で出会う。2人はそのまま一夜を過ごすが、その際にデクスターは「聖人の祝日に雨が降れば、(40日間雨が続き、晴れならば40日間晴れる)」という詩の一部を口にする。そしてエマはそれに対して「もし雨が降らなければ、デートしない?」と答える。雨は降らず2人はデートし、お互いに惹かれ合いながらも素直になれず、結局親友という関係となってしまった。その後、エマは詩人になる夢を持ちながらも働き始め、デクスターもテレビの司会者になり、お互いの想いがすれ違うようになる。エマはコメディアンと、デクスターは業界の女性たちと関係持つようになるが、お互いの気持ちを忘れることができず、心から愛することはできない。デクスターは離婚をきっかけにエマのもとへ、エマもパートナーがいたがデクスターへの気持ちは亡くなっておらず、2人はついに結ばれる。エマは子供がほしいと言い、デクスターもそれに応じるが、雨の降る日に悲劇が起こる。

「運命の人は誰か」。必ずしも今付き合っている人や結婚している相手が運命の人とは限らないということを考えさせられる映画。
7月15日という1日だけを23年間過ごす形で展開されるストーリーはすべて「1988年」の7月15日に選んだ選択肢が原因となって生まれてくる。
すべての始まりの日に2人が違う選択肢を選んでいたら、23年にも及ぶすれ違い生活はなかったし、幸せな生活を過ごすことができたのではないかと思う一方で、すごくデクスターの素直になれない心には同性として共感できるところがあり、こうなるのも仕方ないな、と思うところもある。

未来のことはわからないし、選んだ選択が正しかったかどうかもわからない。
だからこそ「明日より今日があればね。(whatever happens tomorrow, we‘ve had today)」というエマのセリフが心に残る。

7月15日という日だけにフォーカスし、聖スウィジンの日についての詩を活用し、晴れの日は2人の心が近づくが、雨の日は遠ざかっていくという演出、流れてくる挿入曲がストーリーとマッチしていてとても良い、切ない映画だった。

ただ目隠ししてハリセンでしばかれるルールのゲームはよくわからなかった…