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レバノンのcamusonのレビュー・感想・評価

レバノン(2009年製作の映画)
2.7
1982年のレバノン内戦を、イスラエル軍の戦車の中からの視点のみで描いた作品。

戦場にいながら視界が限定され、戦況がわからないことによる焦燥感、
外界で起きている凄惨な現実と、その実感が伴わない疎外感、
などが表現したいところだったと考えられるのですが、

限られた視界で、いかに観客に状況を把握させるか、
エンターテインメントとして成立させ得るか、
というジレンマに陥り、
戦車からの狭いスコープ視点の動きに合わせて、
外界の事象を都合よく不自然に配置するような本末転倒なことになり、
なんとも中途半端な出来になってしまったなという感想です。

スコープからの外界の情報量を半分以下に削るか、
観客には俯瞰させて戦車外の映像も見せるか、
どちらかにした方がよかったかなと思いました。
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