生酒冷造

妖精たちの森の生酒冷造のレビュー・感想・評価

妖精たちの森(1971年製作の映画)
3.5
イギリスの片田舎で親がいない兄妹が使用人と共に豪邸で暮している。そんな中、兄妹と仲の良い下男や女家庭教師が屋敷の中で情事にふけいる。
その荒々しいまでの行為を兄妹は無邪気な好奇心の目で眺めていた。。


まあ、この物語、後日談になる「ねじの回転」という存在がありますが、この二本でアニメ「ひぐらしの泣く頃に」にような二本立てを思い出します。

前日談は種馬のような下男を卑下しつつも、屈伏していく過程に溺れゆく女教師。
娯楽が程ない世の中で体からはいる恋愛。
ある意味、正直な大人の社会の愛の暴力。
夜はそんな状態なのに、昼間は兄妹に懐かれ仲良く過ごす。
しかし、子供には大人の理屈が奇異に映る。
また、それを誤魔化そうともしない大人も大人ですが、夜の顔と昼の顔を否定もしない大人。
この映画、DQNを愉しむ映画なんだろうか。。

好きな人を恥じらわせ甚振る。。
2進法で処理しきれない大人の事情は子供に説明出来ません、普通は。。
しかし、下男や女教師を慕う兄妹は懸命に理解しようとするあたり、単なるおマセでは済まないシチュエーションに。。
この辺りは歯止めの効かない成長の恐ろしさを感じます。
下男は「愛は憎しみであり、人々が真に結ばれるのは死のみだ」とうそぶくが、その最果てには、、子供たちの目にはどう映るのか、子供の躾って成長と共に大事なことよな。
生酒冷造

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