むぎちゃ

ソウのむぎちゃのレビュー・感想・評価

ソウ(2004年製作の映画)
5.0
【オールタイム・ベスト用レビュー】

自身の映画鑑賞における大きな分岐点になった作品。
映画鑑賞とは、映画館の暗闇でひとつの世界の「目撃者」になる事。なってしまう事。その「罪悪感的興奮」をこの作品でハッキリと自覚してしまった。

所謂ソリッドシチュエーションスリラーの代表作だが、公開当時の私にはよう分からんジャンルだった。
ただ、当時映画館で流れる予告編の不穏さに惹かれ、絶対観ようと決意した事は昨日のように覚えている。

当日映画館ではフライヤー代わりの新聞の1ページが配られており、そこには例のビジュアルと「SEVEN meets CUBE」の見出しがデカデカ載っていた気がする。

地元の映画館故あまり人は入ってなかったが、あの予告編の通り最前列に座ってた人もいた。

作品の内容は今さら言うに及ばず、とにかく終演後は足に力が入らなかった。
それと同時に先述の快感が身体に充満していくのを感じた。

「何やら大変な映画を観てしまった気がするぞ」
そこから初めて作品を鑑みることに熱中し、ソフト化されるやさっさと購入しては穴が空くほど観続けた。

熱中した結果、この作品がきっかけで脚本の勉強をしたくて専門学校にまでに通ってしまった始末。
勿論今現在は1ミリも関係ない生活だが、「脚本の構成でひっくり返す」「制作側の熱い温度感」、その辺を大事に作品に触れるようになった。

その後のシリーズは正直泥舟だったが、毎年の新作は泥舟と分かりつつ劇場に足を運んだのもいい思い出。

…いい思い出か?
むぎちゃ

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