すがり

ソウのすがりのネタバレレビュー・内容・結末

ソウ(2004年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

きっと苦手な映画だと長らく敬遠してきた。
wowowでの一挙を機に遂にSAWの全貌把握に挑む。

いやー。
あー、いやーーーーー。
めちゃくちゃ面白かったです……。

以前はスプラッタ系は苦手だったけれど映画を観ていく過程で耐性が付いていたらしい。
目を覆うことも無く、純粋に楽しむことができた。

ドラマパートとしてはいくらかのんびりしている印象で緊迫感を演出するに至るほどの疾走感は無い。
それでもジグソウの仕掛けるゲームが映画のあらゆる面を補ってしまう。

自分では手を下さず準備と観察をするだけ、全ての結果は当人による選択、限りなく細い糸で、どのような形であっても必ず生存の道筋も用意されている。
ある意味中二病的妄想の最たる物とも言える。

ラストのジグソウの登場シーンはまさに戦慄。
堂々としていれば案外バレないとか、マジック的ミスリードとか、登場人物の目線に近づけば近づくほどこれほどの違和感が消失して行く。

アダムが人間的に現実と映画の丁度良い塩梅の人物だったのも貢献が大きい。
お陰でゲームオーバーの一言が本来以上に絶望感を煽る最高の締めを演出していて、エンドロールでは軽い放心と共に清々しさも体験できる。


場合によっては有象無象のB級映画と変わらないような作りにも見えなくないものの、物語と数々の映画的仕掛けによって完全な一点ものになっている。
アイディアに依る映画っていうのはやっぱりこうじゃないとね。

ただアマンダのゲームだけ自傷が条件になってないのはちょっとずるくないだろうか。
すがり

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