母と妻を養っている貧困層の農夫が、7年間の幸福を得るために、悪魔の契約を交わしてしまう。「ファウスト」の系譜を汲んでいる、ダーク・ファンタジー映画。
極貧生活を強いられている農夫の青年が、悪魔の囁きに従いながら隠し金貨を大量ゲット。自我が膨張していき、邪念に支配されて、「オレがオレが」人間に変身してしまう。いわゆる「欲望に狂う人間」をテーマにした古典的作品。
原題に含まれている人名ダニエル・ウェブスターとは、かつて実在した同名政治家がモデルの人物。本作では、悪魔の囁きに打ち勝ち、労働者階級から支持を得ている次期大統領候補者として登場する。闇落ちする主人公を諭していく、エクソシスト的な立ち位置。
高慢ちきな主人公がキリスト教の習わしに背を向けていくという物語展開のため、宗教的見地が全面に押し出されている。救済とか懺悔とかアレとかコレとか、説教を聞かされているような状態になるのが、ちょっぴりツライ。