ShinMakita

動く標的のShinMakitaのレビュー・感想・評価

動く標的(1966年製作の映画)
3.3
☆探偵マーロウ公開記念:ハードボイルド系私立探偵映画6選


ロサンゼルスのしがない私立探偵ルー・ハーパーは、親友の弁護士アルバートの紹介で、郊外のサンタ・テレサまで依頼人に会いに行くことになる。依頼人は、富豪ラルフ・サンプソンの夫人。「消えた夫を捜してくれ」というのだ。昨日ラスベガスでの豪遊から自家用機でロスに戻ったラルフが、パイロットのアランを残して蒸発してしまったのだという。カネの使い道も荒く、ワケのわからない者に山まで寄付してしまう変人ラルフ。女好きでもあるから、きっと若いオンナとどこかにシケコンでいるんだわ、と夫人は言う。ハーパーは依頼を引き受け、最後にラルフを見たアランに事情を訊く。アランは甘い二枚目で、ラルフの娘ミランダは彼にぞっこんなようだ。だが、アランは「俺、カノジョいるし」とそっけない。そんなアランが言うには、ラルフは空港からベルエア・ホテルに向かう予定だったという。ホテルには、ラルフが所有する部屋があるのだ。さっそくホテルに向かったハーパーは、そこで女優フェイの写真を発見する。フェイは今は落ちぶれて酒浸りだが、ラルフとは懇意にしているらしい。

フェイの居所を掴んで、酒を手にラルフの居所を聞き出そうと接近するハーパー。しかし彼女はラルフのことをあまり話したがらない。それどころか、酔いつぶれたフェイを家まで送って行くと、剣呑な夫トロイが現れ、銃で脅され追い出されてしまった。しかしフェイ&トロイの家を出る前に、ハーパーは電話を盗み聞きし、この夫婦と<ベティ>というヤク中の女が親しいというネタを掴んだ。ハーパーはジャズ歌手のベティが勤めるバーを見つけ、彼女にラルフは何処だ、と質問をぶつけるが、店の用心棒に殴り倒されてしまう。トロイやベティは何かキナ臭い・・・探りを入れるため、ハーパーはもう一度トロイの家に向かうが、そこに現れた大型トラックに追われ、轢き殺されそうになってしまう。

翌朝、ハーパーはラルフがポンと寄付した<山>を探る事にする。そこは、怪しげな宗教団体「雲の寺」の本部だった。教祖クロードも、「ラルフの居場所は知らない」と答えるが、その敷地には、昨夜の大型トラックと同じ轍が残っていた。その頃、サンプソン家には脅迫状が届いていた。「ラルフの命を助けたかったら50万ドル用意しろ、今夜九時、油田に持って来るのだ」という内容だ。ハーパーは、トロイ&ベティ&クロードから成るグループがラルフを誘拐したのだと確信。夜、油田に張り込むことにする。犯人の要求通り、アルバートとアランがカネを運び、油田に投げ捨てた。それを回収しにきた犯人は、ワゴン車に乗った若い男だ。ハーパーは彼に近付くが、突如銃声が響き、犯人が死んでしまう。現場からは白いクルマが逃走するが、撃ったのが誰なのか、ハーパーには解らなかった。

誘拐犯の所持品から、その男がエディという前科者であることが判明した。エディはベティの弟だ。これで繋がった、と得心したハーパー。エディが死んだのは、おそらく誘拐犯グループ内での仲間割れだろう。ハーパーは、単身「雲の寺」に乗り込んで行き、銃を握ってクロードに向ける。宗教を隠れ蓑に、メキシコ人の不法入国を行っていたクロードとトロイ。彼らに、ラルフを返せと迫るハーパーだったが、この期に及んでも、彼らは「オレたちは誘拐とは関係ない」と主張する。・・・果たして、誘拐の真犯人は誰なのか?







『動く標的』



一般発売はされていないDVDですが、ツタヤのオンデマンドサービスで手に入れました。注文して二週間程度で、DVDに<焼いて>くれるのです。ですから、商品DVDのような機能・・・字幕オンオフ、チャプターリスト、吹替え、特典などは全くなし。これで4000円弱は、やはり高価すぎです。しかも、通常のDVDプレイヤーではしばしばフリーズしてしまい、観賞に難儀しました。PS3ではスムーズに作動しましたが、PCなどでは観られないこともあるようです。今後の購入は慎重に検討したいですね。

さて、映画の話ですが、これは今更語る必要もないですよね。タフで軽くて、へらず口を連発するハーパーというキャラが、ニューマンの笑顔とマッチしています。ストーリーの複雑さも、キチンと整理されているので苦になりません。探偵もののお手本みたいな作品ですね。
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