K助

ジョーズ3のK助のレビュー・感想・評価

ジョーズ3(1983年製作の映画)
1.0
公開当時は、3D(立体視)表現の方で話題(CMで)になった映画。かの「ジョーズ」シリーズの最新作なのに、(飛び出して見える映像)技術的にも物語的にも話題にならなかった、というのは「そういう事」なんだろうなぁ。

という訳で、公開37年目にして「映画天国」の放送にて鑑賞。
そして、観て納得。そりゃ、こんな内容じゃ話題にもならんわ…。

ジョーズの物語から十数年後、フロリダに作られた水中アミューズメント施設「シーワールド」を舞台に、人喰いザメの恐怖、再び。『ジョーズ』『ジョーズ2』の主人公であったブロディ署長の長男が、本作の主役となります。あと、脇役として次男。『ジョーズ4』が年老いたブロディ夫人が主役である事を思うと、とことんサメに取り憑かれた一家だ…。

物語のオープニングからサメの背びれは見えるのですが、過去作と比べるとサメが全然アクティブじゃない。人はちょくちょく襲われつつも、その被害が誰の目にも触れないので、物語は淡々と進みます。むしろ、サメよりもブロディ兄弟を取り巻く人間関係を描く事に主眼が置かれているかの如く、オープン前のアトラクション施設と準備に関わる人々、そしてイルカばかりが描かれていて、「コレは一体、何の映画なんだろう」という疑問が。
じゃあ人間ドラマとして面白いのか、と問われれば、人物描写が全く出来ていないので、昼ドラの一部分を切り出して見せられている気にしかならないんですよね。若き日のデニス・クェイドやリー・トンプソンが出演していますが、別に演技が上手くもないし、キャラとして魅力的な訳でもない。

物語も2/3を過ぎた辺りでやっと人喰いザメとの戦いが始まるのですが、サメが単なる「移動するトラブル発生器」でしかなくて、今ひとつな雰囲気を漂わせたままアッサリと終わり、実は人喰いザメが与えた一番の被害は、こんなクソ映画を二時間も観てしまったという現実。字幕なので、ながら見も出来ませんでしたし!(笑)

アクション、サスペンス、パニックの全てを兼ね備えた娯楽映画であった『ジョーズ』。そのシリーズに関わるというチャンスを得ながら、こんな駄作しか作り出せない。スタッフもキャストも、忸怩たる思いを抱いたりしないんですかね。とっても、不思議。
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