カタパルトスープレックス

モンティ・パイソン・アンド・ナウのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

3.7
モンティ・パイソンの長編映画第一作目です。基本的にはテレビシリーズ『空飛ぶモンティ・パイソン』の傑作選です。映画用のアレンジもされているので、テレビ版とは少し違う。ファンだったらテレビシリーズ『空飛ぶモンティ・パイソン』を観てから、こちらの映画版『モンティ・パイソン・アンド・ナウ』を観るでしょうね。

または、「モンティ・パイソンって名前は聞いたことあるけど、いっぱいありすぎて何を最初に観たらいいかわからない!」という人でしたら入門編として、この傑作選である本作『モンティ・パイソン・アンド・ナウ』から入ってもいいかもしれません。

「じゃあ、モンティ・パイソンって何がいいの?」という人のためにモンティ・パイソンの素晴らしい点を以下にまとめました。

👍とてもセンスがよくてオシャレ!
👍とても下品で今だったら絶対に無理!

オシャレと下品が同居してるんですよ。すっごくセンスのいい下品さなんです。イギリスだからなんでしょうね。ジョン・ランディス監督とZAZによる『ケンタッキー・フライド・ムービー』もモンティ・パイソンから影響を受けたギャグ・スケッチですが、オシャレではない。アメリカらしいストレートな下品さです😂

👍テリー・ギリアムのイラストとアニメーションが素晴らしい

モンティ・パイソンのメンバーの中でテリー・ギリアムが唯一のアメリカ人です。アメリカ人なのにテリー・ギリアムってヨーロッパ的なセンスを持ち合わせてるんですよ。ギャグ・スケッチの間に挿入されるアニメーションは全てテリー・ギリアムによるものです。「ギリアメーション」なんて呼ばれていますが、これが本当にセンスがいい!

60年代風の音楽プロモーションビデオの多くは「ギリアメーション」に影響されていますよ。日本でもLOVE PSYCHEDELICOの『Fantastic World』のPVなんてかなり「ギリアメーション」です。

https://www.youtube.com/watch?v=nZTUisieRwc

🤩まとめ🤩

『空飛ぶモンティ・パイソン』は世界のコメディーに大きな影響を残しました。もちろん、『空飛ぶモンティ・パイソン』以前にもアメリカの"Rowan & Martin's Laugh-In"などギャグ・スケッチのテレビ番組はあったんですよ。日本のテレビ番組『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』も『空飛ぶモンティ・パイソン』とほぼ同時期ですしね。

それなのに、なぜモンティ・パイソンは現在に至るまで語り継がれているのか?それは上品さと下品さ、馬鹿さと賢さが同居する凄さなのだと思います。昔だったらギリギリオッケーな表現だったのかもしれませんが、今では完全にアウトですもの。もう、モンティ・パイソンはできない。

では、なんでこの点数か?やっぱり、テレビシリーズの『空飛ぶモンティ・パイソン』を観た方がいいから。映画のために編集された総集編では物足りない!