フラワーメイノラカ

恋は緑の風の中のフラワーメイノラカのレビュー・感想・評価

恋は緑の風の中(1974年製作の映画)
3.2
『雲ながるる果てに』(1953)と『姉妹』(1955)のある種の潔癖さに、大林宣彦のルーツだろうと直感した家城巳代治。
本作は『転校生』(1982)や『さびしんぼう』(1985)につながる青春モノで、おそらくニューシネマに影響を受けた異色作にして遺作。

原田美枝子を観ていると転校生の幼馴染によく似ていて、なんともいえない気持ちになる。

内容は中学生の浮ついた感性そのままに、ずっと上滑りしている感じが落ち着かない。
あとアリスの「黒い瞳の少女」が永遠に流れてて、マジで10分に1回聴かされる。インスト版だとゲンズブール&バーキンの名曲みたいだった。でも劇中で針を落とされるレコードはキャロル。なんでだ。

ベルトルッチ然り、晩年に胎内回帰でもしたくなるんだろうか。でも脚本は奥さんが書いている不思議。