ソイレントグリーン2022

25時のソイレントグリーン2022のレビュー・感想・評価

25時(2002年製作の映画)
3.9
違法薬物を売買していたモンティ(エドワード・ノートン)は、誰かの裏切り行為によって逮捕された。服役7年の罪が確定し収監される事となる。その後翌朝 刑務所に入れられるまでの24時間を描いた作品です。

それ程ドラマチックな展開が起きるわけでもない。

でもスパイク・リー監督は、この時間に 後悔や無力感、友情や希望などを濃密に充填しました。

鏡に映る自分の顔に向かって、世の中の様々なことに毒づくモンティ、しかし最後は自分自身に向かって 唾を吐くのだ。このシーンが印象的。

フィリップ・シーモア・ホフマンは、今回抑制を少し効かせて それでも揺れ動く心情を見事に演じていました。

アメリカ同時多発テロ後、無力感漂うニューヨークの描写を織り交ぜています。

収監されるまで24時間、なのにタイトルは25th Hourとなっています。プラスアルファの1時間とは?

監督はラストにおいて、父親とモンティが最後に過ごす車の中で、その25回目の1時間を見ている私たちにイメージ描写として提示していました。

こうあって欲しい、こう思って欲しいと。

最後 父親のメッセージに心打たれました。