ナイトアウェイク

25時のナイトアウェイクのレビュー・感想・評価

25時(2002年製作の映画)
5.0
確かにクスリをばら撒いてたけど、モンティのダディは[人は殺めてない]と、自分に強く言い聞かせてどうにか正当化したり、自分の中の罪悪感を頑張ってごまかしてたんだろうね。

クスリを扱った時点で、法律上そんなものが一切通用しないのは、お父さんも分かってるけど。
だからこそ、モンティとのお店での別れ際、一瞬名前を呼びかけてモンティは出て行ってしまったけど、お父さんは既に逃亡の事を打診する気だったはず。ラストの独白は、多分ここでモンティに聞かせるつもりでいた気がする。

お父さんの希望でしかないけど、ラストの長い独白には泣いてしまう。

モンティは初めてまともに、自分が今歩いてる歩道の質感や、住んでる家の外壁の色、ワンちゃんの体温、友達がどんなヤツなのか、奥さんの優しい声なんかに、気を向けたのかも知れない。

そして、モンティの奥さんがとてもステキ。自分の家族になんて言われようと、モンティを待ってるはず。

お金持ちで、顔もいい高身長で、聖人君子で、なんでもかんでも出来て、[ボクは君だけのものだよ]と言って自分と相手を首輪で繋げてずっと監視してもらいたがって、いくらシバかれても気持ちいいとしか言わず、非合法な事でも受け入れて守り続けるよと言う男性が現れても、モンティの奥さんはモンティを選ぶはず。モンティの逮捕が決まって、奥さんが疑われて一度張り合ったけど、モンティが家を出る時は最後までモンティに寄り添ってたし、モンティに対する奥さんの固い愛情は十分説得力がある。

私自身は才能もお金も無い気遣いもできない、人から好かれもしない底辺だけど、劇中の収監数時間前のモンティなら、それでも十分幸せだと言えるんだろうな。

記録。