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紙屋悦子の青春のiiparaのレビュー・感想・評価

紙屋悦子の青春(2006年製作の映画)
3.8
戦争中の恋と別れを日常生活の
台詞を中心に淡々と描いた作品。

舞台はほとんど茶の間のみで
ほぼ台詞のみで進行する。

でも、その中に悲しみも喜びも
別れも戦争の悲惨さも、生きていることの有難味や食べ物の大事さもすべて描かれている。

原田知世はいつも通り相変わらずの美しさで、この人は40代になっても10代の頃とほぼ変わらない空気感や少女っぽさを
保っていることで有名だけど、
冒頭で70代ぐらいの役も演じていて、それがまあ、なんとも品のある70代で…

この人は70や80になっても
綺麗な空気感を纏う人なんだと確信した。彼女こそが女優なんだろうな~。

そして、昭和20年代の茶の間。お茶とおはぎやおいもだけの茶の間でも平成の今にはない、豊かな時間が流れていることをすごく感じた。

特に教訓があるわけでもないし、ものすごく共感するわけでもないけれど、静かに大切なことを語りかけてくれるような良作。
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