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紙屋悦子の青春のyoko45のレビュー・感想・評価

紙屋悦子の青春(2006年製作の映画)
4.0
 昭和20年終戦間際の春、鹿児島、両親を亡くした悦子(原田知世)は兄夫婦(小林薫・本上まなみ)と暮らしています。ある日、永与(永瀬正敏)という軍人と見合いをすることになりますが、永与は悦子が好意を寄せている明石(松岡俊介)の親友だった・・
 ほかの方々も書かれていますが、この世界の片隅を思い出します。もとが戯曲で、ほとんど会話劇。最初の場面は原田知世と永瀬正敏の老夫婦役に少し違和感がありましたが、それはともかく会話が面白くて心が和みます。
 優しそうな悦子(原田)、朴訥な永与(永瀬)、明朗快活な明石(松岡)たちの交わす会話も良いですが、悦子の兄夫婦(小林・本上)の食卓で交わす言葉がとても楽しく、いい味をだしている二人の演技に感心しました。
 ひかえめ、わきまえる、出過ぎない、行き過ぎない、想いを人に託す、信じて待つ、目を閉じると波の音が聞こえ故人の想いに手が届くかもしれない、いいですね、日本的な美を感じる作品です。
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