コウスケ

ちいさな哲学者たちのコウスケのレビュー・感想・評価

ちいさな哲学者たち(2010年製作の映画)
3.5
「お砂場で、死と愛について話をしたの。」
幼稚園児の女の子がそう言って、ニコッと笑う。
フランスの幼稚園で3歳から2年間、哲学の授業をするという世界初の試みが行われた。
「自由とは?」「頭が良いってどういうこと?」「違いとは?」などのテーマで、子供達が本気で議論する。

回数を追うごとに、子供達は人の話を聴き、考え、自分の意見とその理由も言えるようになる。
家族とも話す機会が増え、親も成長したのではないか。

「貧しさ」がテーマの時の女の子の話も印象的だ。
家族で歩いていると物乞いする女性に会った。パパは「どうでもいい、急がないと遅れる」と言ったという。それを聞いた男の子は「それでいい」と言うが女の子は「私が貧乏だったら何も買えなくて困る」と考えた。
正解はないが、女の子は親よりも「他人の立場でものを考える」ことをしている。

大人が思っている以上に、子供は親を見て何か考えているのかもしれない。

先生がどんな質問の仕方をしているか、どのように傾聴しているか、それを観察するだけでもこの映画を見る価値がある。
(2016年1本目)
コウスケ

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