このレビューはネタバレを含みます
マルセルプルーストの失なわれた時を求めてのなかの話のようです。
ユダヤ人でありながらも、富と名声と
知性と、優れた容姿もあり上流社会でも一目おかれるスワンが、
高級娼婦のオデットの胸に飾るカトレアを直したことから、始まる
恋という感情に堕ちてしまう様を描く。
私は、スワンの家にある物凄く立派な箪笥?に釘付けになってしまいました。
そして、オデットの物凄く細いウエストにも羨望(笑)
スワンの自分の気持ちを否定しながら
好きになっていく様と、オデットが恋を勝ち取る手管が、なんとも男が、気の毒で、馭者の目線でみてしまった。
そして、世の中は自分たちの、権威を守るために断固オデットを容認しない。
ユダヤ人や娼婦に対する、きちんとした線引き、差別をおもった。
そしてスワンの恋を勝ち取ったオデットもそういった壁は、越えることが出来ないのだ。甘くないのね上流社会。
人は優れたものが、恐ろしいのでしょう
ユダヤ人の商才や富。そして
高級娼婦の持つ才能や人を自由にできる手管や、魅力的な容姿。
まともに渡り合えばおそらくは、負けるであろう人や力を差別することで自分を守るのね。
ファニーアルダン扮する貴婦人が、外出の際に繰り広げられる
赤いドレスと黒い靴のくだり、
今回の字幕では柔らかい表現だったけど、
以前見たときの字幕では明らかにオデットのことを、ディスった表現だったような記憶があり、あらかさまな、線引きをが、リアルにわかった。
恋は、さ迷っている時が、幸せなのね。
結果に辿り着いてしまうと、とたん
現実に戻ってしまう。あぁ。大変!
とてつもなく立派な箪笥や、数々の調度品と、衣装、ココット?のいた時代を覗き見ることができて、大満足。
とても美しい映画でした。素敵。
BSプレミアムで鑑賞