退屈で頽廃的で差別的で閉鎖的な俗物たちの饗宴世界。恋は盲目とはこのことだ。そしてちょいちょいエロい。スワンが高級娼婦にのめり込んでいく姿は傍から見ていたら滑稽なほどだ。
我に返った時の空虚感と自分の世界の現実、その残酷さたるや…。
アラン・ドロン演じる孤高のシャルリュス男爵もまた男色家がすごく似合ってて、魅力的だ。
ラストにどっと老け込んだスワンと男爵の交わす会話と余韻がなんともまた…。
当時のブルジョアな邸宅や身支度の様子なども興味深い。うーん、やはり一生に一度はプルーストを読んでおかなくてはいけないかも…。