Melko

ユニコ 魔法の島へのMelkoのレビュー・感想・評価

ユニコ 魔法の島へ(1983年製作の映画)
3.9
友達に勧められて鑑賞。
ユニコってキャラは知ってたけど、こんなに重い話なのか…

長編映画の2作目?
一度仲良くなった友達とは別れ、仲良くした記憶も失い、誰も自分を知る人のいない土地を転々とする宿命を背負ったユニコ。
仲良くなった女の子チェリーのために命をかけて戦うのに、さよならも言う暇なく次の土地へ連れて行かれるユニコ。
大好きなチェリーのために、「ぼく だいすきなひとのためなら がんばっちゃう」
て言いながら形態変化するユニコが涙ぐましい。

敵であるククルックが鬼畜すぎて怖い。
人間を石の人形に変え、それを組み合わせて城を作る。その様相は、人形の組体操って感じで不気味さ極まる。
キレて魔法を乱用する場面は作画も壊れていて、ダンボのピンクの象シーンを彷彿とさせるようなぶっ飛び具合。声を当てた常田富士男の怪演が見事。
でも、彼がそうなるに至った理由が理解できるだけにツライ。人形劇の悪役として人間にこき使われ、壊れて使えなくなって捨てられる。元々悪役だった故、人に嫌われること嫌がられることが快感というひねくれ具合。だからこそ、最後はユニコの「優しさ」に屈して溶けて消滅し、人間にかかった魔法も解ける。うううんと唸る深さ。

子どもに見せるにはもったいない、というかきっとこの話の深さは理解できない。
描写の怖さがトラウマになるかもしれないけど、音楽が不自然にポップだからサクッと見れるかも。
Melko

Melko