似太郎

マックス、モン・アムールの似太郎のレビュー・感想・評価

マックス、モン・アムール(1986年製作の映画)
4.3
大島渚による「ルイス・ブニュエルごっこ」といった映画で主演はシャーロット・ランプリング。脚本はジャン=クロード・カリエールが担当。

『愛のコリーダ』『愛の亡霊』につづく【愛の三部作】の完結編なのだが、よりブラック・ユーモア色が強く小洒落たお伽噺みたいな雰囲気が強め。大島渚晩年の小品佳作。

チンパンジーのマックスくんLOVE😍なシャーロット嬢がいつチンパンジーとSEXするのだろう…とワクワク、ドキドキ!で観ていたのだが結局しなかったのが惜しい作品。

端正な画面造形が日本人離れしておりさすがは『少年』や『儀式』といった傑作を撮った大島らしいセンスの高さ。一貫してキモい夫婦の観察映画といった趣向なのでそこまで感情が籠らないのが難点である。

大島渚によるルイス・ブニュエル愛の炸裂したヘンテコな一編で、『愛のコリーダ』ほどインパクトはないがこれはこれでありと思わせるエスプリの効いたコメディの小品。
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