ニシ

十字砲火のニシのレビュー・感想・評価

十字砲火(1947年製作の映画)
4.6
単に反ユダヤ差別なのではなく、PTSDのような症状が出ているロバートヤングや、家族との隔絶、人生に愉しみを見出せず一種の諦念を抱いているロバートミッチャムに見られるようにこれは反戦映画だ。反戦とは、戦争とは人間が文化的生活を存続させる限り起こってしまう避けられないもの(だからこそ最小限に留めなければならない)だということを受け入れ、その犠牲の尊さを皆が心に刻み続けるため細部に至って記録することだと思う。
この映画は、「排他的差別に対して我々はどう抵抗すれば良いのか?」という問いに答えずじまいでいる。そもそもそれに最もらしい答えがあるのかわからないが、正しく生きる、この映画でいうところのロバートライアンにかまかけてフロイドの貸アパートに誘い込むことが正解だとは思えない
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