daiyuuki

大陸英雄伝のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

大陸英雄伝(1995年製作の映画)
4.0
30年代、中国は上海郊外。ホテル「和平飯店」は何人たりと闘争を禁じられた場所で、触れられたくない過去を持つ者たちのたまり場。主人のピン(チョウ・ユンファ)は、10年前上海で200人ものギャングを皆殺しにして“殺人王”と怖れられた伝説の男だった。ある日、マン(イップ・トン)と名乗る女がホテルを訪れる。馬賊に追われる彼女は、ピンの別れた妻と嘘をついたのを皮切りにホテルに居座り、傍若無人に振る舞い、ピンを怒らせる。ピンはマンを追って現れた馬賊を率いるギャングの首魁ムン(チン・ホウ)に彼女を一度は引き渡そうとするが、ギャングらの挑発的な態度と暴行を受けるマンの姿を見て、再び武器をとり、彼女を奪いかえす。やがて匿う間に、ピンはマンに亡き妻(ン・シンリン)の面影を見いだし、二人は愛し会う仲に。しかし再び襲撃をかけてきたムンたちからホテルの客を守るため、ピンはマンを汽車に乗せる。ムン率いるギャングとの戦いは、ピンの獅子奮迅の活躍でことなきを得るが、これがきっかけで「和平飯店」での平穏な生活は崩れたとみた客たちは皆そこを去ってしまう。残ったのは戻ってきたマンとピンの二人だけとなり、ピンはムンとの最後の対決にうってでる。ムンはかつてピンが殺戮したギャングたちの生き残りで、最初から彼はピンが標的だったのだ。死闘の末、ムンを倒したものの、傷つき力尽きた“殺人王”の姿は、マンに連れられていずこへともなく消えて、「和平飯店」もまた伝説となるのだった。
チョウ・ユンファが原案と主演し、ジョン・ウーがプロデュースしたノワール風味のマカロニウェスタン。
かつて殺人王と呼ばれ悪行を働いてきた男ピンが、逃亡者を守る穏やかな日々を捨ててでも、亡き妻に似た嘘つき女マンを守るために封印した剣を抜くというストーリーは、今までユンファが演じてきたノワールヒーローの延長線上にあり、ラストのマシンガンや剣を使ったユンファの大殺陣は凄まじい迫力で、ジョン・ウー好きなら必見のマカロニウェスタン映画。
daiyuuki

daiyuuki