ADHDの診断を受けた主人公が、リタリン(今で言うコンサータ)を服用して突然溢れ出したバイタリティを持て余す話。
不安や無気力、イライラ、自制心のなさみたいなネガティブな要素が“病気”と診断されたことによるある種の安心感と、処方された薬が効果てきめんで突然クリアになった思考がもたらす万能感。しかしそんな主人公を持ってしても(そんな主人公だから?)、他人の人生や行動を左右することはおろか、互いに理解し合うことさえ難しいということ。
つまるところ人生の答えなるものには誰もたどり着くことができないのだから、肝心なのは作中でキアヌ・リーブスが言うように「答えなしに生きる力」だったりするんだろう。