【1977年キネマ旬報外国映画ベストテン 第8位】
『その男ゾルバ』マイケル・カコヤニス監督がギリシア悲劇を映画化した作品。『エレクトラ』『イフゲニア』を含めカコヤニスの「ギリシア悲劇三部作」の一つ。
絶世の美女ヘレネーが原因とされるトロイア戦争終結後に女たちが奴隷として分配される様子を描いている。キャサリン・ヘプバーン、ヴァネッサ・レッドグレイヴらオスカー女優が出演している。
この監督ギリシャの人だったのか。てっきりアメリカ人かと。
ギリシャ悲劇を忠実に演じているとみられ、飾り立てられたセリフの応酬が見もの。舞台劇のようにほぼワンシチュエーション、陥落した後のトロイアから動かない。
夫や子どもたちを失い奴隷として異国に行かされる女たちを悲劇的に演じた役者陣は見事。キャサリン・ヘプバーンは流石の貫禄。元凶ヘレネーを演じたイレーネ・パパスは少しイメージと違ったけど異国風な美しさで良かった。
演出で特にここがよかったとかはないかな。とにかく格式高く名優たちが熱演している。そういう印象。
これだけストレートにやっても2時間持つのは元々面白いからだろうね。かったるいなーとは感じたけどギリシャならではの作品でいいと思う。