義民伝兵衛と蝉時雨

トロイアの女の義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

トロイアの女(1971年製作の映画)
4.4
エウリピデスの傑作悲劇『トロイアの女』の映画化。ギリシャ人の映画監督だけあって、ロケーションや配役から既に見事だし、コロスの存在感など、ギリシア悲劇の世界観が素晴らしいセンスによって映画化されている。その見事な映像表現の中で、原作がかなり忠実に再現されているので、答え合わせも面白く、内容も心まで響いてくるので涙も誘われる。物語の凄まじさ(素晴らしさ)は言わずもがな、演技も素晴らしいし、それらに加え、音楽や編集も見事な悲劇性を奏で、グルーヴしていて、全体的な調和も素晴らしい。原作へのリスペクトが多分に込められた内容に感動した。