半兵衛

警視庁物語 十五才の女の半兵衛のレビュー・感想・評価

警視庁物語 十五才の女(1961年製作の映画)
3.8
殺された少女を捜査していくうちに、彼女が生活のため売春をやっていたことが発覚したりその裏で彼女を食い物にする男がいたことが判明するも何の感情も持たずに淡々と捜査する捜査チームを通して、この世には救いようのない社会があることをまさまさと観客に見せつける演出が圧巻。あんな糞な連中を見てもドライに仕事をこなす刑事たちはどうかしてると思うけれど、それはテレビドラマを見すぎた我々がどうかしていて現実の刑事のように感情を排除して捜査という仕事をこなしているだけに過ぎないんだよね。

発狂した少女の母親・菅井きん、市役所に勤めながら少女に売春を強制する今井健二の演技がリアルさを増幅させる。

やりきれない展開の果てに捜査陣がたどり着く真実があまりにも過酷すぎて更にやるせなくなる。

あと次々と部下に的確な指示を出して、今回の舞台となる多摩の警察の上から下のたちと上手くやって共同捜査をこなしスマートに事件を解決していく神田隆はまさに理想の上司。
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