警視庁物語の一本。15歳で売春をしていた少女の遺体が河で発見された。母親と二人暮らしのバラック小屋は二坪ほどで、彼女の母も戦後パンパンをしており、その当時にかかった脳梅毒で錯乱状態となっている。
死んだ少女はパンパンどころか、「そばパン」と呼ばれていた。中華そば一杯を奢るだけで体を売っていたためだった。死亡した日も、貧しい彼女が世話になっている福祉事務所の男と会っていたことがわかる。
深沢七郎の『絢爛の椅子』や『東京のプリンスたち』とか、映画『午前中の時間割り』みたいに、もう十代にしか時間がなくて、十代のうちに生き急がなければいけないような少年少女が好きだ。
この映画のタイトルも、少女や娘や子ではなく、「十五才の女」という普通なら選ばない言葉なのも、もう生ききって先がないから、すでに女なのだという気がする。