エリオット

恋人たちの時刻のエリオットのレビュー・感想・評価

恋人たちの時刻(1987年製作の映画)
4.3
9月に澤井監督が亡くなって何を見直そうかと思ったがやっぱり個人的に好きな本作にした。
脚本は荒井晴彦っぽく昭和のファム・ファタール物語といった進行とセリフで今見直すとどうなんだろうという部分もあるが(でも嫌いではない)本作の魅力はとにかくどこに何(あるいは誰)を配置してどこからどういう風に映すかという画作りがオーソドックスだが完璧なのではと思えるところ。
長回しのシーンも結構あるが見る者にそれを長回しと感じさせないような滑らかでゆったりとした仙元誠三によるカメラの動き。そして音楽はいつもの久石譲印。
それらをうまくまとめてアイドル映画を大人の映画に作り変える監督の才能は凄いというほかない。
遅くなりましたが監督作が少なすぎるのがとても残念だった澤井信一郎さんのご冥福をお祈りします。
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