ブラックユーモアホフマン

神経衰弱ぎりぎりの女たちのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

神経衰弱ぎりぎりの女たち(1987年製作の映画)
4.4
見事な喜劇。

オープニングからオシャレの波状攻撃みたいなクレジットで始まり、内容自体は下世話ながら上品な語り口でエグくなり過ぎず、愛らしさと軽妙さを保ちながらフェミニズムも取り込む余裕というか。手練れの技だな。

話自体はまあ割とよくあると言えばよくある。他にもこんなの見たことあると思う。『小早川家の秋』とか?ちょっと違うか。あるプレイボーイ a.k.a クソ男に振り回される女性たちが巻き起こす騒動。中心人物である男はなかなか姿を表さない。欠席裁判的な。しかしかと言って女性たちも連帯するわけではない。

こんな話一番好きだわ。あんまり覚えてないけど『ボルベール<帰郷>』もこんな感じだった気がする。緊急事態宣言中に配信で観た映画って結局印象薄くてあんまり覚えてないんだよなあ。やっぱ映画館で観るに限りますよ。

ちなみに何度か着替える主人公の二着目くらいの、青いスーツ姿が『ジャッキー・ブラウン』のパム・グリアに似てて、と思ったら終盤の空港のシーンの動く歩道のカットがまんまあのオープニングっぽくて、タランティーノ、この映画意識してたりする?と思った。

【一番好きなシーン】
・マイクオンのまま話し続ける受付の人
・二度目のタクシー、運転手も泣く。
・手紙を読み上げるバンデラスの上に吹替られる声
・電話してる横でその相手本人が荷物を捨ててる→からのレコード直撃