ほーりー

ヴェラクルスのほーりーのレビュー・感想・評価

ヴェラクルス(1954年製作の映画)
3.7
【そういや、ヴェラクルスとベラクルスどっちが正しいんだ?】

バート・ランカスターが設立した独立プロ製作の『ヴェラクルス』は、単純に正義VS悪という図式のストーリーではなく、この時代ではかなり真新しい内容だったのではないかと思う。

ゲイリー・クーパー&バート・ランカスターの新旧スターが競演した本作。

先輩格のクーパーをクレジットを上にさせて自分は二番手ながらもおいしい役どころを演じている。これに味をしめたか『深く静かに潜航せよ』ではクラーク・ゲイブル相手に同じことをしている。

監督はロバート・アルドリッチ。やはり脇にはアーネスト・ボーグナイン、チャールズ・ブロンソン、ジャック・イーラムといった濃ゆい面々が揃っている(笑)

フランスがメキシコに出兵していた時代、傭兵として一攫千金を狙おうとした男たちが主人公。

ゲイリー・クーパーは南北戦争を経験した元南軍の兵士、バート・ランカスターは凄腕の無法者という設定。ひょんなことから出会った二人は反発しながらも、ある時は皇帝側につき、またある時は革命軍側につく。

さらに皇帝軍の裏をかき、軍資金を横取りしようとする侯爵夫人も現れたり、ストーリーに大きなうねりがある印象を受ける作品。

ちなみにタイトルの『ヴェラクルス』は最後の猛攻が繰り広げられる砦のある地名。本当のラスト10分ちょっとだけしか描かれないが、あまりはしょっている感じがしないのが不思議。

最終的にはクーパーとランカスターが一騎討ちとなるが、このシーンが数多ある映画の決闘シーンにパクられたという。

やっぱりバート・ランカスターだからさらに印象深くなったのだろう。黒ずくめの出で立ちであんな歯並びよくてニカッて笑ってやられたら、どうしたってインパクトも強い。

■映画 DATA==========================
監督:ロバート・アルドリッチ
脚本:ローランド・キビー/ジェームズ・R・ウェブ
製作:ジェームズ・ヒル
音楽:ヒューゴー・フリードホーファー
撮影:アーネスト・ラズロ
公開:1954年12月25日(米)/1955年4月6日(日)
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