ひろりこ

わが母の記のひろりこのレビュー・感想・評価

わが母の記(2011年製作の映画)
4.0
鑑賞記録&感想
【初視聴】
☆原作は芥川賞作家でもある昭和の文豪・井上 靖の自叙伝的小説。
☆2011年度・第35回 モントリオール世界映画祭🇨🇦受賞。
🎗審査員特別グランプリ

初めて知る、母の想い。
50年の時を経てつながる、母と息子の絆・家族愛の物語。

たとえ忘れてしまっても、きっと愛だけが残る。

〜あらすじ〜
小説家の伊上洪作(役所広司)は、幼少期、両親と離れて育てられていたため、母親に捨てられたという想いをずっと引きずっていた。そんな中、父(三國連太郎)の訃報が入る。母・八重(樹木希林)は物忘れがひどくなってきており、夫との思い出すらほとんど失くしていた。伊上洪作の三女の琴子(宮崎あおい)の提案で、軽井沢の別荘で暮らすことになる八重だったが…。

🎣『釣りバカ日誌』シリーズなどでもお馴染みで、名優・佐藤浩市さんの実父でもある三國連太郎さん(2013年4月に死去)の遺作となった作品でもあります。

撮影は実際の井上 靖邸を使っていると観終わってから知り、少し驚きました。

昭和の古き良き香りがあちらこちらで感じることができて嬉しかった。
高齢になり認知症が日に日に進んでゆく母の八重を演じた名女優・樹木希林さん(2018年9月に死去)のけして力むことのない自然体な演技には改めて心から感心させられました。本当に本当に素晴らしい‼︎😌

著名な小説家である息子を演じた役所広司さんは、幼少期の辛く苦い記憶を長年ずっと胸に秘めながら、年老いて小さくなってゆく母と対峙してゆく姿は、何となくだけど将来の自分とほんの少し重なるような予感がしてとても感慨深かったです。
そして三女の琴子を演じた宮崎あおいさんのセーラー服姿は、懐かしい感じで初々しくとても可愛らしかった。

「 雨がやんだ。校庭には沢山の水たまりが出来ている。太平洋 地中海 日本海 喜望峰 遊動円木の陰。だけどぼくの一番好きなのは、地球のどこにもない小さな新しい海峡。おかあさんと渡る海峡。だけど一番好きなのは、地球のどこにもない小さな海峡。おかあさんと渡る海峡…」

樹木希林さんが、この詩を詠むシーンで一気に涙腺が崩壊しましたね😭😭😭

キムラ緑子さんの演技も◎

なんと冒頭で樹木希林さんの実娘・内田也哉子さんが同じ八重さん役の若かりし頃を演じています✨
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