Nove

わが母の記のNoveのレビュー・感想・評価

わが母の記(2011年製作の映画)
3.6
日本の戦後の家族。
父親の権威が強かった時から、徐々に娘たちの主張が尊重される時代へと変わっていく。
戦前に生まれた祖母は、息子との過去を愁いつつも、家族に囲まれ自由に暮らす。
作家である息子からみた母親。
幼少期に離れて暮らしていた、子どもからみた母親。
そして、孫娘からみた父親の母。
どの顔も、それぞれの側面を切り取った一部でしかない。
歳とともに、昔の記憶の断面が鮮明に思い出すように、昔の思い込みが別の意味をなしていく。
母とは、いくつになっても息子のことを愛おしく想い続ける人のことである。
こんな家族が、戦後の日本の理想であったことをとどめて置こう。
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