悪魔の毒々クチビル

ザ・デプスの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

ザ・デプス(1989年製作の映画)
3.2
指示通りにボタンを押しただけだからヨシ!!


ミサイル砲台建設の為、海底で秘密裏に造られた基地ディープスター・シックスで働くクルーたちに古代の海洋生物が襲い掛かって来るお話。

初代「13日の金曜日」の監督でお馴染みショーン・S・カニンガムによる海洋モンスター/ヒューマンパニック映画です。
今作で出て来るモンスターは人より大きめな甲殻類の化け物って感じで、見た目はキモ格好良くてgoodなんですけど如何せん出番が少ないのが残念でした。
中盤以降、姿を表してもイマイチ全貌が見えないようなカットなので折角のルックスがあまり映えないのが難点。
そして出番の関係でテンポもあまりよろしくはないです。

しかしながら今作には観た人がモンスター以上に触れたくなる人物、スナイダーさんがいますからね。
いち契約作業員に過ぎないとは言え、「取り敢えず画面に従ってボタン押せばええんやろ」のノリでミサイルを全部破棄(爆発)させてしまった為、基地はモンスターなんかよりも遥かに甚大なダメージを喰らいます。
そんなうっかりさんな現場スナイダーさんのお陰で、脱出難易度が爆上がりさせただけでなくあんな物持たせて背後歩かせたら絶対やらかすだろ、と思った直後に案の定やらかしていて自らの死神っぷりが物凄い速度で覚醒していきます。これは観た人が「歩く人災」と名付けるのも納得ですね。

登場人物で言えば、若い女性学者のスカルペリが主人公ではないんですけど序盤筋トレに励む姿を始め、作中ではかなり掘り下げられていたキャラだったので途中で彼女に主人公交代するパターンだったり「エイリアン2」におけるバスケス姐さん的なポジションなのかなとも思いましたが、物凄く地味に退場していました。
彼氏の方は真っ二つに切り裂かれていたというのに。

ゴアシーンは殆どありませんが、真っ二つシーンが中々良かったのでそこももうちょいあって欲しかったかな。
ラストは唐突に「13金」オマージュぶちこんで来てニッコリ。

良くも悪くもスナイダーさんのクセが強すぎな作品でした。
甲殻類クリーチャーさんにももっと活躍の場を与えてあげていれば、真っ当なモンパニとして話題になったのではと思います。
ただやっぱ深海にはロマンがあって良いよね、とも改めて思えたので嫌いじゃないよ。自分では絶対行きたくないけど。