leyla

暗黒街の弾痕のleylaのレビュー・感想・評価

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)
3.8
フリッツ・ラング監督のアメリカ製作2作目。ボニー&クライドをモデルにした最初の映画と言われている。フィルム・ノワールの先駆けとも。

影を活かした映像や構図が素晴らしく、1937年製作とは思えない。後半の駆け足の展開が焦る2人の緊迫感をあおる。

↓以下、ネタバレ含みます











刑務所から出所したエディ(ヘンリー・フォンダ)は恋人ジョー(シルヴィア・シドニー)と暮らそうとする。しかし、前科者であるがために世間からは冷たくあしらわれ仕事も解雇される。そんな矢先、再び冤罪で逮捕され死刑を宣告され…

負の連鎖により、どんどん追い込まれる2人。追い込まれるほどに愛は深まっていく。クライムというよりは、愛の逃避行という印象が強い作品だった。

最初のカエルの話がラストに思い起こされる。
「一匹が死ぬともう一匹も死ぬ
お互いがいないと生きていけないんだ」

原題は『You Only Live Once(人生は一度きり)』

神父殺しという、神への冒涜ゆえのラストなのかとも思える。偏見が不幸を招いたというのが残酷だった。
leyla

leyla