mingo

暗黒街の弾痕のmingoのレビュー・感想・評価

暗黒街の弾痕(1937年製作の映画)
3.8
ノワールでもあり、男女のメロドラマでもある映画史における至高の一本。

ありとあらゆることに見放され、更生もできずに男の物語は進んでいくが、最愛のひとだけは彼のことを信じ続け、その愛にだけ光があてられた作品。

やるせなさがストレートに描かれ過ぎているので、その理不尽さと2人の愛が対照的で終始観やすいです。
その反面、牢屋の格子を光線で強調したシーンや、霧の中で脱獄を図るシーンなど圧倒的な緊迫感で描く場面もあり、幻想的でありながら生々しいサスペンスを見事に演出している点は素晴らしいの一言。

いちゃもんレベルになってしまいますが、唯一文句をつけさせていただくと、2人の逃避行の時間経過の感じさせ方が希薄で、赤ちゃんの誕生が唐突すぎて、いらなかったのでは…と感じます。。。

それでも本作がなければアメリカンニューシネマ(俺たちに明日はない)や「007」が生まれなかったことを考えると、やはりどこまでいっても名画なのだなと思います。
mingo

mingo