矢嶋

装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版の矢嶋のレビュー・感想・評価

3.3
OVA版の記憶が曖昧だが、それでもかなり端折られていると感じる。
コチャックがPR液を配合するという数少ない見せ場も、ほぼ描写されずにいきなり完成しているため違和感が強い。バーコフの逃げ癖とかも描写が全然なかった気がする。総じて、バーコフ分隊のキャラ掘り下げが少ないのは残念。

ATがCGになったことで作画だと難しい描写が増えたのは評価できる。ローラーダッシュによる軽快な機動や、戦争の規模が伺える大量のAT群はその典型。モデリングも中々いいと思う。キャラクターは作画だが、これも安定しておりよかった。

一方で、CGになったことで重さは全然感じられなくなった。映画館であれば音で補っていたのかもしれないが…
軽く見えるだけなら、ATの装甲がいかに薄いか分かる描写ともとれる。しかし、なまじ数が多いだけに、気合の入った動きをしていないモブ等のATはかなりおもちゃっぽく見える。こうした質感は「むせる」感の減退に繋がっているようにも思う。

そして、とにかく劇伴がダサい。曲がというより、使っている音色が安っぽいのだ。映画にせよOVAにせよTVよりは予算があるはずなのに、何故こうなっているのだろう…。
OPがないかわりに挿入歌として鉄のララバイが使われるのだが、これも微妙にセンスがない。ぶつ切りにして3回も流れるため、ここぞという一回で流せばいいのにと思う。

ボトムズ自体がそもそも好きで見ているので、本作にも見どころは当然ある。しかし、見るならOVAの方がいいかなというのが素直な感想。
矢嶋

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