ろっち

アメリカン・ヒストリーXのろっちのレビュー・感想・評価

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)
4.6
考えが変わった男の話。
デレクは白人至上主義で怒りと憎しみを持て余した男で、ネオナチならず者一味のリーダー。ある日怒りに任せて黒人を殺害、殺人罪で投獄された。しかし様々な出来事から、出所する頃には人が変わり平和主義者となっていた。そしてデレクは弟を悪循環から救う為に行動し始めるのだが……ってあらすじ。
面白かった。90年台の映画で当時に比べると大分変わって来たけど、今でも引き続きチョイチョイ問題になる白人至上主義ネオナチグループ。思想が恐ろし過ぎる。
ラストシーンの切なさはたまらない。「気付くのが遅かった」と感じます。そしてこの結末でもデレクには平和主義を貫いて欲しいと願ってしまいました。
作中に弟ダニーが書いてるアメリカン・ヒストリーXが胸に刺さる。
自分も相手も不幸にしてしまう人種差別問題を真正面から写している。
この作品は白人からの目線で差別の虚しさや恐ろしさを描き、よくある黒人奴隷虐待などの黒人目線の差別を受けてからの……って作品とは一味も二味も違いました。
展開も分かりやすく無駄な所が無くスッキリしてるけど、ズッシリ重い仕上がりです。そしてエドワードノートンさんの演技が素晴らしく、出所後の角が取れた顔付きと、投獄前の尖った顔つき、過去の回想シーンの顔つき、全部違って感心しました。
近年プライベートでチョイチョイ問題を起こしてる(笑)エドワードファーロングさんの弟役もしっくりきました。兄を慕う弟の演技が本物の兄弟のようだった。

まぁ多くは語るまい(笑)の私が、
「根深い差別問題。いつの日か、本当に、本当の意味での差別がなくなる。ってことを、心から願います。」で、
たまには語る(笑)の巻でした(笑)
ろっち

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