竜平

MONDAYの竜平のレビュー・感想・評価

MONDAY(2000年製作の映画)
3.6
ホテルの一室で目覚めるがどうやってここまで来たのか思い出せないスーツ姿の男。やがて朧げな昨夜の記憶を徐々に取り戻していくが、という話。

とくに前情報もなしで、主演の堤真一見たさで鑑賞。まず彼の魅力なんかはめちゃくちゃ堪能できるんじゃないかなと。うだつの上がらない、恐らく普段言いたいことも言えてない、けれどもきっといろいろ溜め込んでる感じの、しかも変なとこで笑っちゃったり空気読めなかったりと性格的にもクセ強めのサラリーマンを好演中の好演。で追い詰められて起こす行動一つ一つがまた裏目に出たりして、ってな自分の行動を少しずつ思い出していって、次第に焦っていく様が印象的。物語を彩る他のキャスト陣なんかも見どころで、何気ないエピソードから「んなバカな」なもの、更に妄想や何かの類まで様々。不意に出てくる麿赤兒と大駱駝艦ね。後半で現在へと繋がる流れも楽しい。

でまぁ作品通してわりとじっくりと展開していくんだけども、個人的にはドタバタ系の騒動を描くあたりのテンポ感がもう少しよかったらなーと、途中でなんかちょっと興味が薄れてしまったのがちょい残念。ここらへん邦画的とも言えるかも。また終盤ではちょっぴりシリアスなメッセージ性が見えつつ、堤真一のバツグンの演技も見れつつ、けれどもラストはなんとも煮え切らないというかハッキリしないというか、総じて「で?」って感じ。しかし酒飲みすぎてよく記憶をなくしてしまう身としては、状況的にあり得ない話ではないというか、まぁ幸い自分自身こんな大事に至ったことはないけども、いや運が良かっただけなのかもしんないよなー、なんて。この物語って恐らく「翌日起きて昨夜の記憶が全くない」ってな誰かしらの経験談から着想を得てる気がしてならない。本当、飲みすぎ注意ってことで。完。
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