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月の砂漠のgrpcdのネタバレレビュー・内容・結末

月の砂漠(2001年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

早稲田松竹にてとよた真帆のアフタートーク付きで鑑賞。死ぬほど荒療治の家族再生ムービー。夫は家庭を顧みずITベンチャーの社長業に全力投球、妻は娘を連れて出ていくが行く先々でもういないはずの両親の幻影(シャイニングの双子ばりにクッキリ!)に悩まされる。さらには父殺しに取り憑かれたACEED系便利屋まで現れ家族という永遠のテーマを軸に予測不能な方向に転がっていく。でもいささかテンポが悪くかなり中弛みしているような。はっきり言うと観ていてワクワクしない。
とはいえ青山映画のエッセンスを感じる場面は多々あり、特に里帰りシーンで山の麓を走る電車にジムオ「There's Hell in Hello, But More in Goodbye」のイントロが重なる瞬間は何とも言えぬ恍惚感に包まれた。映画としてあまりにも完璧な瞬間。河川敷で段ボールハウス燃やすシーンも良かった。
ライブドアショック(2006年)よりもずっと前にこの設定で撮ってるのも凄い。にしてもゼロ年代のシネフィル系邦画って何でこんなにも殺伐としてるのか。アメリカくらいカジュアルに拳銃転がってない??
ちなみにとよたさんが一番好きな青山作品は『エリエリレマサバクタニ』だそうです。
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