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十五才 学校IVのRyuのレビュー・感想・評価

十五才 学校IV(2000年製作の映画)
3.9
山田洋次監督の学校シリーズ第4作目。

不登校の少年 大介はある日、家族に内緒で屋久島の縄文杉を目指しヒッチハイクの旅に出る。そこで出会う人々との交流を描いたロードムービー。

これまでのシリーズとは異なり、舞台は学校を飛びだして全国各地になっております。
不登校の少年が行く先々で様々な人々と出会い学ぶ。これもある種の学校なんでしょうね。
展開は王道ロードムービーって感じで出会いがあって別れがあって、色んなことを見つめ直し、新たに学び、少年は少しづつ成長していきます。早くある必要なんてない、マイペースでいいから少しづつ。トラック運転手の息子から主人公に送られた詩が心に深く沁み渡りました。自分も成人はしていますが、大人と呼べるにはまだまだです。周りがどんどん大人になっていくのに焦っていたりしたんですが、この詩で急ぐ必要なんかないんだな と思わせてくれました。
中盤、主人公と同じく縄文杉を目指す女性と共に歩むシーンでロードムービーの名作「スタンド・バイ・ミー」のオマージュがあってなんかジーンっときました。
主人公がちょっと生意気な感じなのも、十五才という時期を表している気がしました。親に心配かけるのはいけないけど、ここまで行動力があって、大人相手にもしっかりと発言ができて、丹波哲郎の場面では下の世話までしてる。十分いい子だと思いました。
ロードムービーと言えばですが、ロケーションが素晴らしい!日本人としては馴染みのない海外のロケーションに魅力を感じることが多いですが、日本もいいなぁと改めて感じさせてくれました。
嫌なことがほとんど起きず、出会う人々もみんなイイ人ばっかり。一つ一つの交流に味があって、主人公も成長していく。シリーズ全体を通してホントに心温まり、沁みる作品でした。
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