mitakosama

妖精フローレンスのmitakosamaのレビュー・感想・評価

妖精フローレンス(1985年製作の映画)
3.7
これはナカナカ素晴らしい。
サンリオという会社(制作の辻信太郎社長)のアートに対する造詣の深さが感じられる。
クラシック音楽とアニメーションの双方が、アートでありエンターテイメントを兼ねていると捉えているのだと思う。

どこか欧米の音楽学校を舞台にした話。
スランプのオーボエ奏者マイケルは、心優しくお花が大好き。
コンサートメンバーから外され落ち込んでいたら、お花の妖精フローレンスの導きで花の国へ行く。
花の国での色々なと体験。フローレンスとの愛と別れ。現実世界での復帰。
物語の起承転結も綺麗に収まってる。

それ以上に、劇中を流れるクラシックと、音楽に合わせたアニメーションの素晴らしさよ。音楽に絵を合わせる手法はディズニーのファンタジアでも用いられてるが、今作はキャラクターの感情表現とのマッチングが実に良い。

そして、絵柄は名作劇場の様な簡素化したデザインだが、当時流行りの わたせせいぞう や あだち充にも通じるオシャレさがある。しかも作画レベルが高く動く動く。

声優に中島みゆきという、若干謎のキャスティングは気になるかな。
中盤でサンリオキャラがゲスト出演するのはご愛嬌だが、全体的に物語の芯がしっかりしておりブレが無い。隠れた傑作だと思います。
mitakosama

mitakosama