【秀作になりそうな予感はあるけど】
うーん、素材はいいし、秀作になりそうな予感はあるんだけど、惜しくも、というところかな。
田舎町やその周辺の景観がこの映画の基調をなしていて、そこは悪くない。
ただ、そこで展開されるドラマの充実度はイマイチ。脚本にもう一工夫、いや二工夫くらい必要。
モノクロームの写真に写った少女はだれか、というのがこの映画の最大の謎なんだけど、そこに意外性があまりないし、謎解きに至るまでの過程も、展開が間延びしていて充実感にとぼしい。ゆったりとした進行によって抒情性の表出を狙ったのかもしれないけど、それにしてもスカスカで、ちょっと退屈すらしてしまう中間部分は、この映画の難点。
あと、もう一つの謎は、なぜあの場所に写真があったのかということだと思うんだけど、その辺、作る側は考えてなかったんじゃないかと。
それと、地震のシーンが地震に見えなかった。そこを含め、全体としてもう少しお金と手間暇をかけたら結果は相当違ってきたはず。
五藤監督は、話の発想自体はいいんだけど、脚本の展開力が弱いんだね。脚本には、誰か加わってもらったほうがいいと思うな。