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パプリカのNのネタバレレビュー・内容・結末

パプリカ(2006年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

とても気持ちが悪くて、意味がわからなくて、最高に気持ちいい。

作品を理解しきれなかった感はあるけど、雰囲気が好きだなぁと思う。題材はインセプションと同じだけど、パプリカの方が不気味で気持ち悪い。
なにかがブワ〜〜〜っと湧いてくる時の高揚感が癖になりそう、音楽も相まって「この世のものではナニカに取り込まれる」感じが良い。冷蔵庫やポストがぐにゃぐにゃに曲がりながら歩いていくのがポップで可愛くて異様で最高。
夢に犯された人間が口走る訳のわからない言葉もかなり好き。あの意味の通るようで通らない狂った台詞を考えられる筒井氏も夢に犯されてるのでは?
所長が狂い始めた時の「言ってることよく分からないけどわたしがアホなんだろうな」から「本当にそうか?」「いや…所長が夢に呑まれてるのか!?」に至るまでの数秒、内臓を駆け巡る違和感と興奮でキマりそう。



雰囲気は好きだけど、全体的に結局…何?みたいな気持ちになっちゃったので観終わってからぐだぐだ考えた。
人間は誰でも、トラウマだとか、理想だとか、悪意だとか、どうにもならないぐちゃぐちゃの感情を持っていて、そういうのを全部飲み込んで受け入れることで人間は成長して現実を生きることができる…っていう解釈を結論とする。
理事長の黒いドロドロを吸い込んで敦子が成長するのはそういうことかな。
夢を受け入れて現実を生きるようになったから敦子は自分の気持ちに素直になれたし、粉川は「夢見る子供たち」を大人として観に行けるようになったんだよね。
あとこれはネットから拾った他人の考察だけど「小山内がパプリカを剥いて敦子にするのは、敦子のパプリカ部分を受け入れられないから」っていうのにすごく納得した。夢を受け入れられない側の人間ってこと。自分で気付きたかったな。

深掘りするのも面白いけど、疲れてる時にそれはだるいから雰囲気楽しむくらいの気持ちで観るのが正解な気がする。
正直1番の感想は「パプリカという女、激マブ」
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