結局カレー

パプリカの結局カレーのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
3.7
知人が「君たちはどう生きるか」を「千と千尋やハウル好きは微妙だろうけどパプリカとか好きならオススメ」って言ってたから観てみた。言わんとすることはわかるけどこちらは桁違いに難しかった。笑 訳の分からない台詞たちも最初は意味ある言葉かと思いパニックになった果てにだんだんと理解。2回観てようやくわずかばかり消化した。

“夢”は潜在意識の現れとも言うけど、その中では自分自身すらコントロールすることは難しい。一方的に見せられるもので誰にも侵入できない聖域のようなもの。それが「DCミニ」によって他人の侵入を可能にし、制御システムが実装されていない未完成のDCミニが何者かに奪われたことで夢と現実の秩序が崩壊していく。なんだろうこのカオス。聞き覚えある言葉がめちゃくちゃに繋げられて何か主張してるようで全く意味がない、見たことあるあれやこれが列をなして行進してる。意味わかんないんだけどそのパーツパーツは知っている。「イッツアショーターイム!」から始まった日本の闇を凝縮したような大パレードも本当はみんな知ってるけど対峙してないものたちばかりで嫌になる。平沢進のパレードは行進曲なのに絶望感があってその矛盾とカオスな世界観がガッチリハマってる。白虎夜の娘といい音楽が最高。

アニメーションだから成立する現実と空想の混在。どうやったって自分じゃ絶対に思い浮かべることもできない世界感と書き出したくなるような台詞群。私のいる世界とはまるで別次元のようで、私の住むニッポン世界。考えるのは放棄してただ世界観に呑み込まれてみることをオススメする。「影には光、夢には現、死には生、男には女、そこへ足りないスパイスを一振り。パプリカ。」わかるようでわかんねー!でも確かに面白かったと思うのよな。