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パプリカのtackyのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
4.3
今監督の事実上の遺作であり、ベネツィア映画祭のオフィシャルコンペティションに選出された作品。(一般映画と並んでアニメが三大映画祭で選出された監督は、日本人では宮崎駿、押井守と3人しかいない。)

今監督得意の、現実と夢の間を行き来する夢探偵「パプリカ」を描いた作品で、リアルとバーチャルが入り乱れて、まるで頭の中をかき乱されるような感覚にとらわれる。
クライマックスのパレードのシーンなんて、「千と千尋」の神々の登場シーンに匹敵するほどのシーンだが、今監督の場合、とても猥雑で不安を掻き立てるようなシーンになるのがとても凄い。

黒澤の「夢」を観た時、夢の世界ってこんなものかと違和感を感じたが、この作品は素直にその世界に浸れたと思う。それほどに素晴らしかった。

しかし、この3年後46歳の若さで逝去。
アニメ界の至宝をこんなに早く失った事は、実に惜しまれる。
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